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 ■ 勾引 (こういん)

紛らわしいキャプチュード (身体拘束) 系の法律用語の1つです。勾留は、被疑者・被告人が逃亡したり、証拠を消滅させてしまわないように、国家機関が管理する施設に強制的に「留めておく」ことですが、この「勾引」は、裁判所に呼んでも来ない被告人や証人を、強制的に「引っ張ってくること」を意味します。刑事訴訟法58条・59条、民事訴訟法194条に、この規定があります。
勾引は、「かどわかし」とも読み、女や子どもをかどわかすことを意味します。つまり、ダマして連れ去ること、です。条文を作成された方は、このことを知らなかったのかもしれませんが、公正を使命とする裁判所にはちょっとふさわしくない言葉ですよね。
(2005.10.13)

 ■ 拘禁 (こうきん)

キャプチュード (身体拘束) 系の法律用語って結構多いんですよね。区別が非常につきにくいので、ここで明らかにしたいと思います。
「拘禁」とは、強制的に身体を拘束することで、拘束期間が比較的に長いものをいいます。拘束期間が比較的に短いものを「抑留」といいます。
憲法34条は「何人も、理由をただちに告げられ、かつ、ただちに弁護人に依頼する権利を与えられなければ、抑留または拘禁されない」と規定しています。国家が一般市民の身体を拘束する場合は、期間の長さにかかわらず、その理由をただちに告げ、そして弁護人に依頼する権利を与えなくてはいけない、という規定です。
他にも、同系として、勾引、拘留、勾留、拘置がありますので、合わせてご確認を。
余談です。嘉永7年(1854年)、吉田松陰は、海外をこの目で見ようと、ペリー艦隊のポーハタン号に乗り込もうとしましたが、拒絶されました。もちろん、江戸時代は鎖国の時代ですから、海外渡航は犯罪です。その後、松陰は自首し、幕府によって下田 長命寺に拘禁されたのですが、その期間は9ヶ月間でした。
(2005.10.10)

 ■ 抗告 (こうこく)

裁判所が行った決定・命令に対して、「納得がいかない」と、上のクラスの裁判所に不服を申し立てることです (民事訴訟法は328条〜337条、刑事訴訟法は419〜434条)。
上のクラスの裁判所に不服を申し立てる、という意味では、控訴・上告と似ていますが、控訴・上告は、不服を申し立てる対象が「判決」であり、抗告は「決定・命令」である点に違いがあります。この抗告と、控訴、上告を合わせて、「上訴」といいます。
(2005.9.29)

 ■ 抗告訴訟 (こうこく そしょう)

「抗告」のすぐ下にありますが、似て非なるものです。
上記の抗告は、「裁判所」のしたことを「上のクラスの裁判所」に不服申し立てることでしたが、抗告訴訟は、「行政庁」のしたことを「裁判所」に不服を申し立てることです。行政庁をおおざっぱに言えば、国・地方公共団体です。
行政庁は、税金を徴収したり、飲食店の営業許可、ゴミ処理場の設置許可を行ったりと、様々な公権力を行使しています。しかし、それが不当なものであれば、そういった公権力を取り除かなくてはなりません。そういった公権力を取り消したり、無効だと主張したりする訴えを、抗告訴訟といいます。
行政事件手続法は、公権力の取り除き方について、以下の6種類を規定しています
  1. 処分の取消しの訴え (3条2項,8条〜35条)
  2. 裁決の取消しの訴え (3条3項)
  3. 無効等確認の訴え (3条4項,36条)
  4. 不作為の違法確認の訴え (3条5項,37条)
  5. 義務付け訴訟 (3条6項,37条の2,37条の3,37条の5)
  6. 差止訴訟 (3条7項,37条の4,37条の5)
詳細はそれぞれの項目をどうぞ。
(2005.10.3)

 ■ 控訴 (こうそ)

新聞やテレビなどでよく目にしますので、ご存じの方も多いかと思います。第一審の判決に対する不服申立てを上級裁判所に対してすることです。控訴してさらに不服申立てをした場合は、「上告」となります。控訴と上告、これに抗告を加えたものの総称を、「上訴」といいます。同音異義語に、「公訴」がありますので、お気をつけ下さい。
しかし、疑問があります。控訴は、「訴えを控える」と書くのに、さらに訴えを起こす意味で使われるのは何故なんでしょう。中国文学科卒の知人に指摘され、今も答えられずにいます。ご存じの方がいましたら、是非教えていただけませんか。
(2005.9.22)

 ■ 口頭弁論 (こうとう べんろん)

「前もって決められた日に、原告と被告が裁判所に集まり、裁判官の前で口頭で自分の主張をし、それを根拠づける証拠を提出すること」とイメージしてもらえれば、とりあえず良いかと思います。それを行う日のことを「口頭弁論期日」といいます。
原則、そこで主張する内容・提出する証拠は、前もって裁判所に提出してある準備書面に沿ったものでなくてはなりません。
(2005.9.17)

 ■ 抗弁 (こうべん)

素直に読むと、「弁ニ抗ウ」、つまり、相手の言ったことに対して争ったり、反対したりすることです。法律用語としての「抗弁」も、大体そのようなもので、民事訴訟における防御方法 (被告の申立てに対する反論のようなものです)の一つです。
被告が、原告の請求を裁判所に棄却させるため、相手の権利の存在は認めつつも、すでにそれは消滅したと主張することを、「抗弁」といいます。
おそらく分かりにくいですよね。具体的に書きます。原告が貸金を返すよう請求する場合、原告は「お金の貸し借りがあった」という事実を主張します。それに対し被告が争うには、支払う必要がないことを主張しなくてはなりません。「借りたけど、すでに返した」とか、「借りたけど、もう時効だ」というように、相手の主張する事実に乗った上で、両立する別の事柄を被告が主張することを、抗弁といいます。「いや、借りてない」と相手の主張する事実を真っ向から否定することを「否認」といいます。
(2005.10.8)

 ■ 拘留 (こうりゅう)

拘留とは、身体の自由を奪う刑罰の一種で、拘留場に1日以上30日未満、拘留場に捕らえておくことです。刑法16条にその規定があります。
同音異義語に「勾留」があり、非常に紛らわしいですが、こちらは刑罰ではありません。
(2005.10.10)

 ■ 勾留 (こうりゅう)

上記の「拘留」と同じ読みで、どちらもキャプチュード系 (身体拘束系)ですから、非常に紛らわしいですね。こちらの「勾留」は、刑罰ではありません。そのため、「未決勾留」ともいわれます。
被疑者・被告人が、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があり、かつ、以下の条件を満たす場合に行われる身体拘束です (刑事訴訟法60条)。
  1. 被疑者・被告人に、定まった住居がない。
  2. 被疑者・被告人が犯罪の関係する証拠を隠したり、消滅させたりする可能性がある。
  3. 被疑者・被告人が逃亡する可能性がある。
(2005.10.11)

 ■ コンメンタール (こんめんたーる)

法律事務所に行って本棚に目をやると、「コンメンタール ○○法」といったタイトルを目にするかと思います。聞き慣れないのはドイツ語だからで、意味は「注釈」です。
じゃあ、本文のない「注意書き」のみの本なのかというと、当たらずとも遠からずです。一般的に、コンメンタールと名の付いた法律書は、法律の条文を一条一条詳しく解説したものとなっています。有名処としては、『注釈民法 有斐閣コンメンタール』『注釈民事訴訟法 有斐閣コンメンタール』(ともに、有斐閣)『大コンメンタール刑法』『大コンメンタール刑事訴訟法』(ともに、青林書院)などがあります。執筆されている先生は、著名な先生方ばかりです。
(2005.10.23)

 ■ 混和 (こんわ)

民法が規定する所有権の取得方法の1つです。所有者の異なる物体が混ざり合ってしまって、識別ができなくなった場合をいいます。混和することで、物体同士に損傷を与えない限り分けられない場合、もしくは分けるのに過大な費用を要する場合は、新しくできた物体の所有権は、メインとなる物体の持ち主のものとなります (民法245条)。
どっちの物体がメインかどうか分からない場合は、混和したときの価額に応じて新しくできた物体を共有することになります。
他の添付系(付合、加工)と同じように、混和によって2つのモノが1つになるわけですから、所有権を失ってしまう人が出てきます。所有物が消滅することでその人は損をするわけですから、所有権を得た人に対して、「得した分のお金をよこせ」 と請求することができます (民法248条)。
(2005.10.22)


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